労働総研ニュースNo.174・175合併号 2004年9・10月
目 次 |
[1] 9/16「憲法改悪反対共同センター」発足 |
9/16「憲法改悪反対共同センター」発足 |
労働総研は、全労連、全商連、全日本民医連、新婦人、民青、農民連の6団体が呼びかけた「憲法改悪反対共同センター」(略称共同センター)に参加しました。9月16日夜の発足会には50団体から108人(労働組合は16単産4首都圏組織48人)が参加して全労連会館2階ホールで開かれました。 |
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これは、9月17日、労働総研・賃金最賃問題研究部会公開研究会での発言に、当日の質疑応答を考慮して加筆したものである。 はじめに 1980年代からアメリカ、イギリス、日本は新自由主義による「構造改革」で所得格差が拡大し、貧困層が急増した。1999年度ユニセフ年次報告による相対的貧困率(平均所得の半分以下)はアメリカ22.4%で先進国中最悪であった。米国勢調査局の2003年報告では貧困ライン以下の貧困層は12.5%で、医療保険未加入者は4,500万人(15.6%)いる。貧困ラインは1人世帯9,393ドル(102万円)、4人世帯18,800ドル(205万円)である。 一、LW運動の起因と成果 1,LW運動の起因と目標 表 労働者の組織率の推移
2,LW運動の成果とその要因 二、日本の労働運動にどう生かすのか 1,貧困化の増大と公正な賃金を求める流れ 2,「最低賃金と均等待遇、公契約」運動の到達点と課題 |
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これは9月21日に厚生労働省クラブ・三田クラブにて記者発表しました。また、日本プロ野球選手会にも送付しました。 2日間にわたる史上初の日本プロ野球ストを経て、労働組合・日本プロ野球選手会と日本プロ野球組織(NPB)との団体交渉が、明22日にも再開されようとしている。団体交渉をつうじて、選手やファンの切実な願いが認められ、プロ野球の明るい将来への一歩が踏み出されることを、国民はみな期待をこめて注視していると言ってよいであろう。労働運動総合研究所に結集するわれわれ研究者も、多くのファンや国民とともに、その動向を見守っているところであるが、この際、研究者の立場から、実りある団体交渉のために若干の発言をさせていただきたいと思う。 (1)球団関係者のなかには、いまだに選手会を労働組合として認めない人々がいるようである。しかし、プロ野球選手会は、1986年1月の結成いらい、東京地方労働委員会、東京地裁、東京高裁によって、繰り返し労働組合法上の労働組合であると認定されてきている。そうした事実も承知せずに選手会を労働組合として認めようとしない関係者は、客観的には法治主義を否定するものであると言わねばならない。 (2)選手会とNPBの交渉を見ていると、それが必ずしも社会的ルールに則った団体交渉として行われていないように見受けられる。NPBのなかには、選手会と「折衝」しているのであって団体交渉をしているのではない、という主張があるようである。こうした言動は、団交拒否の不当労働行為として現行労働法に抵触するものであり、「謙虚な気持と真摯な姿勢で」選手会と話し合うというNPBの立場にも相応しくないものである。互いに相手の立場を尊重しつつ、責任のある建設的な交渉をすすめるためにも、正規の団体交渉という認識をもち、ルールに従ってすすめられる必要がある。 (3)これまでの交渉過程で係争点の一つになってきたものに、オリックスと近鉄との合併が経営事項なのか団体交渉事項なのか、という問題があった。この種の問題は、抽象的な言葉のうえで争うのではなく、具体的に検討する必要がある。経営者が検討し決定できる事項であるという意味では、たしかに合併問題は経営事項であるが、同時に、合併に必ず付随する移籍、解雇、失業、再就職、労働条件変更、等の問題が、団体交渉事項であることは誰でも認めざるを得ないであろう。したがって、選手会が合併問題に関わる要求を提出し、その要求の実現をめざしてストを実施するとしても、そこには何の違法性も存在しない。 (4)また、合併の1年凍結問題はもちろんのこと、新規参入要件の緩和やドラフト改革、収益分配策など、プロ野球界の将来にかかわる改革諸課題についても、それらが将来にわたってプロ野球界の盛衰にかかわる問題であり、ひいては選手たちの労働・生活条件にもかかわってくる問題であるから、選手会がそれらを団交事項としても取り上げるのは当然である。 (5)NPBは、選手会によるスト実施に対して損害賠償請求を行うとしているが、労働組合は民事免責および刑事免責を保障されており、そうした請求権は存在しない。実際にそうした請求を行うとすれば、それは、初めから裁判所によって棄却されることが明らかな請求を行うという、極めて異常な行動をとることになる。そして、場合によってはその行為は、労働組合に不当な圧力を加えるために行われた行為であると見なされ、労働組合法第7条3号の禁止する「支配介入」違反に問われることになろう。また、もし選手会の活動にかかわっていた選手会役員や選手に不利益な取扱をするとするなら、労働組合法第7条1号の禁止する「不利益取扱」違反に問われることになろう。いずれにせよ、相手を脅迫しながらの交渉からは、建設的な成果を期待することはできない。 (6)ところで、選手会とNPBとの団体交渉は、その内容からして、労使関係にとどまらない、国民的課題の解決にむけた交渉と話し合いの場となっている。問われているのは、国民共有の文化財産であるプロ野球を、どのように守り発展させるのか、という課題である。そして、すでにこれまでの国民的討議をつうじて、(1)球団数を減らさないこと、(2)そのためにも、来期からの新規参入を実現すること、(3)交流試合の実施や地域に密着したファンサービスの組織化などをつうじて、プロ野球の活性化をはかること、(4)一部の球団に偏在する歪んだ収入構造を是正すること、などが、ほぼ国民的合意として形成されつつある、と言ってよいであろう。選手会はもちろんNPBも、その国民的合意実現のために、一致して協力し努力してもらいたい。 (7)しかし、危惧されるのは、一部の球団が、球団経営の目先の利益から、球団数を減らすことに依然として固執していることである。このような考えは、プロ野球の発展を願う国民の考えに反するものである。選手会とNPBとの団体交渉が実りあるものになるためには、プロ野球の発展を願う国民の声に誠実に応えていくことが必要である。日本プロ野球の将来の発展をも見据えたプロ野球選手会の要求は、理不尽なリストラに苦しめられているサラリーマンをはじめ多くの国民から支持されており、プロ野球の今後の発展に国民の英知を結集していく土台となるものである。春闘50周年を迎えようとしている労働運動も、プロ野球の改革に大いに関心を持ち、選手やファンとともにたたかっていくことを期待するものである。 今回のプロ野球における団体交渉およびストライキの帰趨は、日本の労使関係を健全に発展させるうえで、さらには日本の民主主義を充実させていくうえで、非常に重要な問題である。われわれ労働問題研究者も、選手会、球団関係者、ファンのみなさん、そして広範な国民のみなさんとともに、わが国プロ野球の発展のために微力をつくす決意であることを申し上げて、意見表明を終わりたいと思う。 |
2004年度第1回常任理事会報告 |
第1回常任理事会は、8月19日(木)午後1時半から5時まで、大木一訓代表理事の司会で、労働総研2階会議室で開催された。 I 報告事項:事務局活動報告およびプロジェクト・研究部会活動報告について、藤吉信博事務局次長より報告され、了承された。 II 協議事項:1)2004年度定例総会報告について、藤吉信博事務局次長より提案があり、討議の結果、『労働総研ニュース』に、決定された2004年度定例総会方針、2003年度第7回常任理事会報告、同第2回理事会報告、および定例総会報告を掲載することが確認された。 |
2004〜2005年度役員・名簿 |
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代=代表理事・常=常任理事
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6〜9月の事務局日誌 |
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6〜9月の研究活動 |
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