労働総研ニュース No.231・232 2009年6・7月
目 次 |
2009年度定例総会方針(案) |
I.2008年度における経過報告「労働運動の必要に応え、その前進に理論的実践的に役立つ調査研究所」として、「全国労働組合総連合(全労連)との緊密な協力・共同のもとに、運動の発展に積極的に寄与する調査研究・政策活動をすすめる」という当研究所の設立趣旨を、現段階の情勢の要請にふさわしく前進させる調査研究・政策活動を展開した。 1.研究所プロジェクト (1)「人間的な労働と生活の新たな構築をめざして」プロジェクト 08年度定例総会にて設定された本プロジェクト(責任者・牧野富夫代表理事)は、雇用の破壊が労働者の(1)経済的ゆとり、(2)時間的ゆとり、(3)心身の健康を奪っている、「人間的な労働と生活の新たな構築」をめざすキーポイントは“雇用の安定化”にある、という観点から、雇用問題を“切り口”に“広い視野”からテーマの解明をめざすこととした。 (2)「21世紀労働組合の研究」プロジェクト 前期に引き続きまとめの作業がおこなわれ、その研究成果は「労働総研クォータリー」No.75(09年9月刊行予定)に発表される予定である。 2.共同プロジェクト (1)「地域政策検討」プロジェクト 09年1月の全労連の第43回評議員会で決定された方針に沿って調査活動が進められ、今年度は事前調査とアンケート調査が実施された。 (2)「首都圏最低生計費調査」プロジェクト 全労連、東京地評、埼労連、千葉労連、神奈川労連との共同で、監修責任者金澤誠一佛教大学教授により、08年7月の中間発表を経て、08年12月8日に「首都圏最低生計費試算調査報告」として記者発表した。また本報告にもとづき、12月13日には「最低生計費」を考えるシンポジウムを開催した。本調査報告は「労働総研クォータリー」No.73・74に掲載した。 (3)「社会保障のあり方検討会」 09年3月、全労連より、「社会保障に関する政策立案」の協力要請がおこなわれた。 (4)「労働組合トップフォーラム」 今期はおこなっていない。 3.研究所の政策発表 (1)「〈試算〉非正規雇用の正規化と働くルールの厳守による雇用増で日本経済の体質改善を」 この試算は労働総研「労働者状態統計分析研究部会」を中心におこない、08年10月31日に記者発表した(「労働総研ニュース」No.223・2008年10月号掲載)。 (2)「解雇規制と失業保障、雇用創出のための緊急提言」 昨年来の雇用情勢の急激な悪化と景気後退を受け、08年12月12日第3回 企画委員会で問題提起をし、09年1月10日に「解雇規制と雇用・失業保障のための緊急政策提言懇談会」を開催した。そこでの議論をもとにしながら、3月5日「解雇規制と失業保障、雇用創出のための緊急提言」として記者発表した(「労働総研ニュース」No.228・229・2009年3・4月号掲載)。 4.研究部会 研究所会員が常任理事会に研究計画を提出し、常任理事会の承認を得た研究計画にしたがって実施する「研究部会」は、今期は7部会が活動している。各研究部会の研究成果については「労働総研アニュアル・リポート2007」(「労働総研ニュース」No.224・225 2008年11・12月号掲載)、および「ディスカッション・ペーパー」などの刊行物として発表した。 (1)賃金最賃問題検討部会(11回開催) (2)女性労働研究部会(8回) (3)中小企業問題研究部会(5回・うち公開1回) (4)国際労働研究部会(7回) (5)労働時間・健康問題研究部会(5回) (6)労働者状態統計分析研究部会(4回・「国民春闘白書」編集委員会を含む) 全労連・労働総研編「2009年国民春闘白書」を発表。 (7)関西圏産業労働研究部会(6回) 5.研究活動の関連施策 (1)研究例会 09年6月5日にシンポジウム「経済危機下で、どう雇用を守るか?−中小企業の現状と労働運動−」をおこなった。労働総研「中小企業問題研究部会」の協力のもと、コーディネーターとして相田利雄法政大学教授、またシンポジストとして、松丸和夫中央大学教授はじめ愛労連港地区労から中小企業訪問活動、JMIUから経営危機下での雇用確保闘争について、「合意協力型の労使関係」の意義が強調された。中小企業家同友会から経済危機下での経営戦略として、中小企業経営者が雇用の確保にいかに努力しているかの報告がおこなわれた。 (2)研究交流会 08年9月14日に研究交流会として賃金最賃問題検討部会と女性労働研究部会が共同で公開研究会をおこなった。なお、両部会はその後も研究の交流を続けている。 (3)E. W. S(English Writing School) わが国の労働運動を中心にした情報を海外に発信するための書き手養成講座として始まったE. W. Sは、今年度も毎月2回、おこなわれた。 (4)若手研究者研究会 学生の労働組合についての意識に関するアンケート調査を実施した。調査結果は「労働総研ニュース」に発表する予定である。 (5)20周年記念事業としての労働総研奨励賞(仮称)の設立 若手研究者・団体の優れた調査研究を対象に「労働総研奨励賞(仮称)」を設立することについての検討を、常任理事会の委託を受けて検討委員会(責任者・日野秀逸常任理事)でおこなった。 (6)産別会議記念労働図書資料室 堀江文庫などを含め、日常的な開館に向けた準備をおこなった。 6.その他 労働法制闘争本部・中央連絡会、世界平和労組会議、非正規雇用労働者全国センター発足祝賀会などに参加した。 II.研究所活動をめぐる情勢の特徴1.激動と転機を迎える世界の新たな動き 昨年の総会以降世界情勢は劇的な変化を見せている。これまで大手を振って世界中を闊歩してきた新自由主義的な経済政策の破綻があらわになり、それからの転換を図ろうとする動きが大きくなる一方、転換を避け、巻き戻しを図る動きもあなどれない力となっている。 (1)アメリカの金融危機に端を発した金融・経済恐慌は、アメリカ、欧州、日本、途上国を次々とまきこんで、いぜん猛威をふるっている。一部に「景気悪化に歯止めがかかった」との情報が流されているが、それは垂直落下的な悪化のスピードが鈍ったというにすぎない。事実、最近時点で見ても、生産の落ち込みはアメリカで−5.7%、欧州で−9.7%、日本では−30.7%となっている。とりわけ雇用状況は深刻で最悪事態の真只中にあり、雇用の減少や失業の増加が続き、アメリカやユーロ圏の失業率は9%をこえて増大し続けている。 (2)世界が現在抱えている問題は、金融・経済恐慌の問題ばかりではない、地球存亡にかかわる問題も抱えてきている。地球温暖化の問題は、一刻の猶予もならない切迫した重大課題になっている。きわめて危険な状態にある核兵器の廃絶もすぐにでも実現されなければならない課題である。世界的な食糧価格の高騰にあらわされる食糧危機の問題も、早急な対策を講じていかなければ大量の飢餓を招来することは目に見えている。 (3)今日の世界情勢のなかには、新たな希望にむけての積極的要素もまた生み出されている。 (1)「唯一の超大国」が世界を支配する時代、あるいは支配しようと暴走する時代は、過去のものとなりつつある。数十年にわたって世界中で猛威をふるってきた「新自由主義」と「覇権主義」の破綻は、いまやだれの目にもあきらかとなった。強欲と収奪の資本主義は社会正義がおこなわれる市場経済に取って代わられねばならない、という認識がひろく国際社会のなかで共有されるようになり、社会対話を通じて経済危機に取り組もうという経済・社会政策が世界的に形成されるようになった。それはG20などの新しい国際経済秩序構築への努力にもつながっている。 (2)覇権主義から解放された発展途上国や中小の国々が、その自主的な活動を発展させ、国際政治の中で大きな役割を果たすようになった。中東でもアフリカでもアジアや南アメリカでも、それらの国々がイニシアティブをとって、外部からの干渉を排して地域内の問題を自主的に解決していく動きが強まっている。アジアでは、ASEANを中心に、世界人口の57%を包含する東南アジア友好協力条約が締結される成果が生み出されており、南アメリカでは国境をこえた社会主義的経済圏づくりを模索する動きも発展している。 (3)イラクやアフガニスタンに見るように、今日なお覇権主義的な軍事干渉が残されてはいるが、全体として最近は、あらゆる紛争を平和的に解決するという国連憲章の原則が、現実の国際政治のなかでも遵守されるようになってきている。 (4)EUやILOの動きに見るように、今日の「不況対策」のなかで最低賃金の引き上げや非正規労働者の均等待遇が実現されているように、あるいは、「不況」のなかでこそ「ディーセント・ワークをすべての人へ」の目標が重要だと国際的に強調されているように、労働者・諸国民の貧困打破と人権の保障を重視する政策が国際的に共通の政策となりつつある。 (5)理性的な国際政治の基調が回復されるなかで、オバマ大統領のプラハ演説等にみるように、核兵器廃絶や地球温暖化問題などの人類共通の課題が世界の指導者たちによって真正面から取り上げられる可能性が生まれてきている。 (4)しかし、日本および東北アジアの地域は、こうした世界史的な転換の流れから取り残されている。核兵器や軍事ミサイルを外交手段として弄ぶ北朝鮮の政治姿勢の問題に加えて、日本および韓国右翼政権の北朝鮮敵視政策、日本右翼支配層の「北朝鮮問題」を利用した改憲と核兵器保有への策動などである。 (5)世界は平和と民主主義の発展にむけて、歴史的に大きな変革の時代を迎えている。そのなかで、国際的にも一つの焦点となっているのが、日米関係の改革問題である。アメリカの覇権主義に終止符を打たせるうえでも、日本とアジアの友好関係を発展させるうえでも、日米軍事同盟の廃棄と自主的平和的な日米関係の構築するためにも、憲法9条を持つ日本が世界平和のために果たすべき役割は極めて大きなものとなっている。 2.日本の政治・経済の歴史的転機を新しい日本をつくる大きな契機に (1)国民生活をないがしろにした海外依存の政治・経済体制の歪みが経済危機を深刻に アメリカ発で世界に拡散された金融危機は、カジノ資本主義と新自由主義の破綻を明確にすると同時に、先進国だけでなく世界の多くの国々の実体経済をも深刻な危機に陥れた。 (2)明らかになった社会政策の「貧困」と運動前進への可能性の拡大 昨年末以来の「派遣切り」は、みずからに莫大な利益をもたらした派遣・非正規労働者を不況局面で真っ先に犠牲にする大企業の横暴振りをあきらかにした。また、これを真正面から批判せず容認する大企業労組の限界も明白にした。さらに、「職」を失うことが即「食」と「住」の喪失となるような労働者を大量に路頭に放り出す大企業中心社会における社会政策の「貧困」ぶりをも労働者・国民の前にさらけだした。 (3)歴史の重大な転機と新しい日本社会をつくる必要性 新自由主義と大企業中心の政治・経済の行き詰まりは、いまや誰の目にも明らかであり、カジノ資本主義への規制・ルール確立の必要性が国際的にも指摘されている。 3.情勢にふさわしい調査研究などの課題 本研究所は本年で創立20年を迎える。設立以来,本研究所はその時々の労働者階級および労働運動が抱える課題について調査研究を進め、多くの成果をあげてきた。 (1)大企業による高蓄積と雇用破壊、生活不安定化の実態分析 90年代後半以後の「労働ビッグバン」により、各種の労働者保護がゆるめられ、労働者を中心とする国民各層の仕事と生活の基盤は大きく不安定化されてきた。このような国民生活の実態を大企業の高蓄積との関連で明らかにしていくことが重要な課題である。 (2)さし迫った雇用破壊・生活破壊に対処する施策の点検 昨年来の経済不況により労働者をはじめとする国民各層は仕事と生活の不安定にさらされることになった。国民の生活状態の極端な悪化について、自公政権も一定の対処をおこなってきた。しかし、それは大企業の横暴を放置し、自公政権の延命をはかるバラマキ的なもので、そのツケを消費税増税で取り返すものである。これが国民に真の安心をもたらすものでないことは明白である。自公政権が現在おこなっている施策を真に安心できる生活を実現するという視点から厳密に点検することが必要となっている。 (3)市場競争至上主義的社会から内需主導型成長構造への転換の必要性 ゆとりある生活、安心できる労働者生活を実現することは、日本経済の秩序ある発展のためにも必要なことである。昨年の世界同時不況で、日本経済が急速に落ち込んだが、日本の経済・産業構造のなかに内需中心の産業が位置づけられ、内需主導で成長できる構造が形成されていれば、アメリカの需要縮小がかくも急速に、かくも深刻に波及することはなかったと思われるからである。その意味で内需主導型経済への転換は待ったなしの課題となっている。 (4)ゆとりある生活と安心できる生活の実現への転換の道筋の明確化 政策課題を実現するためには、労働運動の飛躍的な発展が欠かせない。 以上の基本的な視点にそって本年度の研究活動を研究所として有機的な関連をもって進めていく。 III.2009年度の事業計画1.研究所プロジェクト (1)「人間的な労働と生活の新たな構築をめざして」プロジェクト プロジェクト推進メンバーを中心に研究の方向を検討し、研究所内外の研究成果を結集して、研究を推進し、有効な提言を提示する。 2.共同プロジェクト (1)「最低生計費調査」プロジェクト 東北、九州などの地域に調査対象を広げ最低生計費についての科学的な精度の高度化をはかり、要求の科学的な根拠を強固なものとする。 (2)「地域政策検討」プロジェクト アンケート調査(「あなたの町の住みやすさに関する調査」)を実施し、自治体調査を09年8〜9月に実施する。〈北海道、東北、新潟、埼玉、東京・板橋、神奈川・相模原、静岡、奈良、京都、島根、高知、愛媛、福岡〉 (3)「社会保障のあり方検討会」 全労連の呼びかけに積極的に応え早期の活動開始を図り、社会保障上の諸課題−後期高齢者保険制度、予算の自然増削減、生活保護の母子加算、老齢加算の廃止など−について労働運動として機動的に対応できる体制の確立に寄与するものとする。 (4)「労働組合トップフォーラム」 開催方法を工夫していく。 3.研究部会 各部会内部での研究活動を活発化するとともに、部会間の研究交流、研究会の公開など進め、部会相互の理解を深めることで研究の深化・総合化を図る。ディスカッション・ペーパーの有効活用ができるような体制を作る。 4.研究例会 情勢に即応した課題について、研究所の力を結集して対応する。 5.研究交流会 各プロジェクト・研究部会の研究活動の到達状況に合わせて、随時開催する。 6.E. W. S(English Writing School) 毎月2回行う。さらに、英語の表現を研究しながら、ライティングの向上をはかる。学生を対象にした講座を開設の準備に取り組む。 7.若手研究者研究会 労働総研と労働組合の若手研究者が調査・研究で交流しつつ、お互いの調査・研究や活動の視点を磨くとともに具体的に調査や研究などを行う機会を提供するものとする。 8.研究成果の発表・出版・広報事業 「労働総研クォータリー」、「労働総研ニュース」、“Rodo-Soken Journal”の定期的な刊行につとめる。特に、「労働総研ニュース」、“Rodo-Soken Journal”については定期的な発行体制を確立するための編集体制を充実する。ホームページは引き続き充実させていく。 9.産別会議記念労働図書資料室 労働総研と?全労連会館とが協力して産別会議記念労働図書資料室の整備を引き続きすすめる。当図書資料室は、当面週2日開館することにしている。今後、労働運動関係資料収集のセンターとしての役割を果たしていく方向で同資料室の充実をはかっていく。 10.創立20周年記念事業 労働総研は2009年12月11日に創立20周年を迎える。これは全労連をはじめ、団体会員、個人会員をはじめとする労働総研への日頃からの支援と協力の賜物である。今後の労働総研の発展を見すえて、以下の記念事業を行う。 (1)創立20周年労働総研奨励賞の実施 創立20周年記念事業として20周年記念労働総研奨励賞の授賞事業を実施する。労働総研奨励賞は、労働総研の設立趣旨・規約を踏まえたものとする。運営資金は、募金活動によって得られた資金によるものとする。 (2)記念シンポジウムの開催 研究所プロジェクトの研究成果を踏まえ、その研究活動をより立体的なものとして促進することに有効なものにしていくものと位置づけ、09年12月19日に開催する。内容は、研究所の研究に研究所内外の関心を得られるものとする。なお、当日は懇親会も開催する。 IV.2009年度研究所活動の充実と改善1.研究所活動の充実 研究所活動を充実させるために、運動の要請に積極的にこたえた研究所活動をすすめる。研究所の調査研究・政策活動の全労連との緊密な協力・共同を強化する。 2.会員拡大 会員の高齢化が進む中で、若手会員の参加の努力をつづけている。これまでも若手会員の拡大に努力してきたが、研鑚の場としても魅力ある研究所活動に努めるなどして、会員拡大に積極的にとりくむことが強く求められる。 3.読者拡大 『労働総研クォータリー』は、特集によって大きな反響を呼んでいる。編集委員会のもと、新たにはじめた読者アンケートなども参考にしながら、編集企画を魅力ある内容に充実し、定期読者や会員の増加につながるよう努力する。 4.地方会員の活動参加 ひきつづき、地方会員が研究所活動に参加しやすくするための検討をしていく。今後、中央・地方における各種公的委員会・審議会、労働者側委員などの公益委員として参加が予想される。それへの対応も準備しなければならない。 5.事務局体制の強化 労働総研の調査研究活動を機能的・効率的に推進する上で、総会・理事会の決定を具体化し、代表理事・常任理事会の適切な指導と援助のもとで活動する事務局の役割は重要である。事務局機能の効率的な運営をおこなうため、状況に応じた企画委員会、代表理事をふくむ拡大事務局会議の開催と事務局会議の定例化を定着させるとともに、機動的な対応も含めた事務局体制の強化をすすめる。 |
労働総研は定例研究会としてシンポジウム「経済危機下で、どう雇用を守るか?−中小企業の現状と労働運動−」を2009年6月5日午後6時30分から、全労連会館2Fホールで開催しました。参加者は80人でした。 最初に大須眞治事務局長が開会あいさつ、続いてシンポジウムのコーディネーターをつとめる中小企業問題研究部会の相田利雄法政大学教授があいさつをおこないました。 シンポジストの発言では、最初に中小企業問題研究部会責任者の松丸和夫中央大学教授が中小企業の現状と労働運動と題して、大企業の社会的責任と中小企業の役割を「中小企業白書2009年度版」や労働総研が3月に発表した「解雇規制と失業保障、雇用創出のための緊急提言」などを示しながら報告しました。 次に愛労連港地区労の脇坂宗勝事務局長から中小企業訪問の取り組みについて、またJMIUの生熊茂実委員長からは経営困難のもとで雇用をまもるJMIUのとりくみが報告され、「合意協力型の労使関係」の意義が強調されました。中小企業家同友会の国吉昌晴専務幹事からは大型不況を乗り越える経営戦略と題して、中小企業経営者が雇用の確保にいかに努力しているかの報告がおこなわれました。 フロアからは、全印総連東京・是村高市副委員長から印刷製本企業の訪問聞き取り調査について、全労連全国一般・大木寿委員長から倒産も解雇もさせないたたかう提案型の運動について、大田労連・中山六男議長から中小零細企業の現状と地域共同について、全商連・中山眞常任理事から雇用維持の役割をになう中小業者の要求と運動について、それぞれ発言がありました。
第1回理事会は、6月6日午後1時30分から5時まで、東京・文京区のお茶の水セントヒルズホテルにて開催された。冒頭、大須眞治事務局長が第1回理事会は規約第30条の規定を満たしており、会議は有効に成立していることを宣言した後、牧野富夫代表理事の議長で議事は進められた。 事務局長より、2009年度定例総会方針案の、2008年度の経過報告、研究所活動をめぐる情勢の特徴、2009年度の事業計画などが、常任理事会での討議のポイントの紹介を含め提案された。 討論がおこなわれ、理事会での討議を踏まえて、常任理事会において整理して完成させることが確認された。
労働総研2008年度第6回常任理事会は、全労連会館で、2009年6月27日14時から17時まで、牧野富夫代表理事の司会で行われた。 I 報告事項大須眞治事務局長より、国際労働研究部会の協力による全労連編『新自由主義の破綻の中で−雇用と生活を守るために−世界の労働者のたたかい2009―世界の労働組合運動の現状調査報告15集』の発行、6月5日の定例研究会・シンポジウム「経済危機下で、どう雇用を守るか?−中小企業の現状と労働運動−」など、前常任理事会以降の企画委員会・事務局活動、また研究活動についてなどが報告され、了承された。 II 協議事項1)事務局長より、入会の申し込みついて報告され、承認された。 2)牧野代表理事より、「人間的な労働と生活の新たな構築をめざして」プロジェクトの進行状況、ならびに討論の状況が報告され、協議をおこなった。 3)事務局長より、共同プロジェクトの現状と今後について報告され、承認された。 4)事務局長より20周年記念事業について、「労働総研奨励賞(仮称)」第2回検討委員会での討論結果の報告がされ、協議のうえ承認をした。 5)事務局長より第1回理事会での討論をふまえて文章化された2009年度定例総会方針案が提案され、討議をおこない、最終案を確定した。なお、討論の中で研究部会設立の申請を随時受け付けることを確認した。また役員・事務局体制についての提案がされ、承認された。
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